マーケティングオートメーションの導入にあたって注意すべきポイント

マーケティングオートメーション（MA）を導入する際には、いくつかの重要なポイントに留意する必要があります。以下、MAの導入にあたって特に注意すべきポイントを説明します。

自動化の範囲を限定すること

MAの導入目的は、マーケティングの自動化や施策効果の見える化にあります。しかし、導入初期はスモールスタートを心掛けるべきです。つまり、自動化を行う範囲は限定的にする必要があります。

自動化の範囲を狭める理由は、運用を進める上で自動化の範囲を徐々に広げる必要があるためです。マーケティングオートメーションを導入したのに、手動で行っている作業が残っていたり、時間を削減できる作業がある場合は、その作業を自動化することで他の業務に時間を割くことができます。

データ整備の重要性

個人的には、誰でも行える作業の時間は減らし、その分マーケティング施策を考える時間や分析の時間に割り当てるべきだと考えています。

従って、導入初期にはある程度の自動化を実現するためにデータ整備を行うことが重要です。データ整備を怠ると、自動化を希望しているが困難なケースが発生する可能性があります。データ整備をせずに現状のデータ構造で自動化の可否を判断してしまう傾向があるかもしれません。

しかしながら、データ整備には時間がかかる場合があります。そのため、手動で対応する方が効率的だと感じるかもしれませんが、長期的に見ると非効率なケースが多いと思われます。さらに、データ整備を怠るとトリガー条件に基づいたマーケティング施策の実施が難しくなる場合もあり、効率化だけでなくマーケティング活動の品質にも影響を及ぼす可能性があります。

このような理由から、MAを導入する際や運用初期の段階で、データ構造を拡張性を考慮しながら十分に整備する必要があります。

ステータス管理の効率化と必要性の再評価

また、ステータス管理の欠如によって無駄な作業が発生している場合もあります。ステータス管理とは、展示会やウェビナーなどのイベントでの参加状況や進捗状況を管理することを指します。

MAを活用すれば、これらのステータス管理は可能ですが、一部の企業では複雑な条件が発生した場合にMAからエクスポートし、Excelなどで整理して営業に渡すといった手順を採っているケースもあります。この手法自体に問題はありませんが、その作業が本当に必要かどうかをMAの運用時に再評価する必要があります。もし作業が売上に直結するものであれば、積極的に実施すべきです。ただし、これまでのやり方を継続しているだけであれば、見直す必要があります。

ナーチャリング施策の重要性と効果的な活動への時間配分

MAを活用して自動で複合条件に基づいてリストを分類し、それを営業チームと共有するという手法は問題ありません。リスト作成にかかる時間を削減する代わりに、ナーチャリングのためのコンテンツ企画や商談促進の施策など、より効果的な活動に時間を費やすことが、中長期的な視点からも有益だと考えられます。

展示会やウェビナーの集客数は年々増加する傾向にあると思われますが、商談に至らなかった人々を対象にしたナーチャリングは重要です。商談が直近では成立しなかったとしても、半年後や1年後に商談が実現する可能性があるお客様も存在します。ナーチャリング施策を実施することで、商談までの期間を短縮することができれば、リスト作成にかける時間よりも効果的な活動となるでしょう。

まとめ

MAの導入や運用初期にはいくつかのポイントに留意する必要がありますが、一度立ち止まり以下の点に注意することをお勧めします。

運用初期は多少の負担を感じるかもしれませんが、慣れてくると楽になることが多いです。

これらのポイントを意識しながらMAを導入し、マーケティング活動の効率化と品質向上につなげていくことが重要です。